店舗・事業用物件の改装費が上がりやすい5つのポイント

店舗や事業用物件の改装を考えるとき、最初に気になるのが「どのくらい費用がかかるのか」という点ではないでしょうか。
ただし、改装費は単純に広さやデザインだけで決まるものではありません。
同じくらいの広さの物件でも、水まわりの位置や電気設備、換気環境、建物の状態などによって、必要な工事内容は大きく変わります。
特に費用が変わりやすいのは、完成後には見えなくなる設備や下地の部分です。
今回は、店舗・民泊・事業用物件の改装で、費用が上がりやすい5つのポイントをご紹介します。
1.水まわりの移動
改装費が変わりやすいポイントの一つが、水まわりです。
店舗や事業用物件では、業種によって次のような設備が必要になります。
よくある必要な設備
・キッチン
・手洗い
・シャンプー台
・トイレ
・洗面台
・清掃用の流し
これらの設備を既存の位置から大きく移動する場合、給水管や排水管の工事が必要になります。
特に排水は、水が自然に流れるように配管の勾配を確保しなければなりません。そのため、希望する場所へ自由に移動できるとは限りません。
配管を延長するために床を上げたり、壁や床を解体したりする必要があると、その分だけ工事範囲も広がります。
改装費を抑えたい場合は、既存の水まわりの位置をできるだけ活かせるかどうかが重要なポイントになります。
物件を選ぶ段階で、希望するレイアウトと給排水設備の位置を照らし合わせておくことが大切です。
2.電気容量とコンセントの位置

店舗や事業所では、一般的な住宅よりも多くの電力を使用することがあります。
たとえば、次のような設備です。
電気容量を占める設備
・厨房機器
・美容機器
・業務用エアコン
・照明
・冷蔵庫や冷凍庫
・パソコンや事務機器
設置したい機器に対して物件の電気容量が足りない場合は、電気設備の追加工事が必要になることがあります。
また、容量が足りていても、使いたい場所にコンセントがない場合は、新たに配線工事を行わなければなりません。
機器の種類によっては、一般的なコンセントでは対応できないこともあります。
物件を見た段階では問題がないように見えても、使用する機器を具体的に決めたあとで、電気設備の不足が分かるケースもあります。
改装前には、設置予定の機器や必要な電力を整理し、物件の設備状況と合っているか確認しましょう。
3.換気・排気設備
飲食店やサロン、民泊などでは、換気や排気の計画も重要です。
室内の空気を入れ替えるだけではなく、におい、熱、湿気などをどこへ逃がすかまで考える必要があります。
特に飲食店では、厨房から出る煙やにおいを建物の外へ排出するための経路が必要になります。
しかし、物件の位置や建物の構造によっては、希望する場所に排気設備を設置できない場合があります。
排気経路が長くなったり、壁や天井を通す工事が増えたりすると、その分だけ工事費も上がりやすくなります。
また、近隣の店舗や住宅への配慮が必要になる場合もあります。
内見時には室内だけを見るのではなく、換気扇やダクトをどこに設置できるか、建物の外まで含めて確認することが大切です。
4.床・壁・天井の状態

古い店舗や長期間使用されていなかった空き店舗では、床や壁、天井の状態によって改装費が変わることがあります。
内見時にはきれいに見えていても、既存の仕上げを撤去したあとに、次のような問題が見つかる場合があります。
気をつけたい問題
・床や壁の下地の傷み
・水漏れや湿気の跡
・ひび割れ
・配管や配線の劣化
・補修が必要な部分
こうした見えない部分は、工事を始めてから判明することもあります。
補修が必要になれば、当初予定していなかった工事が追加される可能性があります。
特に古い物件や空き店舗を活用する場合は、見た目だけではなく、建物の状態も含めて判断することが重要です。
既存の状態をどこまで活かせるか、どの部分は補修が必要かを事前に確認しておくことで、予算も立てやすくなります。
5.看板・外装・入口まわり
看板や外装、入口まわりは、お客様が最初に目にする大切な部分です。
店舗の印象を整えるうえで重要ですが、施工内容によっては費用が変わりやすい場所でもあります。
たとえば、次のような工事が考えられます。
費用の変動が高い箇所
・看板の新設や交換
・外壁の塗装や仕上げ変更
・入口ドアの交換
・照明の追加
・窓やガラス面への装飾
・段差の解消
ただし、建物の外側は自由に変更できない場合があります。
物件の管理規約や貸主の方針によって、看板の大きさ、色、設置場所などが決められていることもあります。
また、外装工事では足場や高所作業が必要になり、想定以上に費用がかかる場合もあります。
デザインを決める前に、どこまで変更できるのか、管理会社や貸主へ確認しておきましょう。
改装費を抑えるために大切な考え方
改装費を抑えるというと、すべてを安く仕上げることをイメージする方もいるかもしれません。
しかし、大切なのは必要な工事まで削ることではありません。
改装費を考えるうえでは、
活かせる部分は活かすこと
必要な部分にはしっかり費用をかけること
このバランスが重要です。
たとえば、水まわりの位置を大きく変更せずにレイアウトを考える、既存の床や壁を活用する、設備の優先順位を整理するなど、計画の工夫によって費用を調整できる場合があります。
反対に、営業や安全に必要な設備まで削ってしまうと、開業後に使いにくさを感じたり、追加工事が必要になったりすることがあります。
見た目だけではなく、営業のしやすさ、清掃のしやすさ、将来の使い方まで考えて計画することが大切です。
物件を契約する前の相談がおすすめです

店舗や事業用物件の改装費は、物件の状態によって大きく変わります。
契約後に、
「水まわりの移動に思った以上の費用がかかった」
「電気容量が足りなかった」
「希望する換気設備を設置できなかった」
と分かると、事業計画や開業スケジュールにも影響します。
そのため、物件を契約する前に改装会社へ相談し、費用がかかりそうな部分を確認しておくことをおすすめします。
相談する際は、次のような資料があると確認がスムーズです。
・物件の募集資料
・平面図
・現地の写真
・予定している業種
・設置したい設備
・希望するレイアウト
・想定している予算
・開業希望時期
すべてが決まっていなくても問題ありません。
「この物件ではどの部分に費用がかかりそうか」
「予算内でどこまで改装できるか」
「既存設備を活かせるか」
といった段階から相談することで、物件選びや改装計画を進めやすくなります。
まとめ
店舗・事業用物件の改装で費用が上がりやすいポイントは、主に次の5つです。
1.水まわりの移動
2.電気容量とコンセントの位置
3.換気・排気設備
4.床・壁・天井の状態
5.看板・外装・入口まわり
改装費は、完成後の見た目だけではなく、設備や建物の状態によって大きく変わります。
費用を抑えるためには、既存の設備や仕上げを活かしながら、営業に必要な部分へ適切に費用をかけることが大切です。
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